ChatWorkとAIを連携して日常業務を自動化する方法 — リマインド・未読確認・一斉配信の実践例

DX・生成AIコラム

ChatWorkを毎日開いて、未読確認、返信、リマインド、作業記録を手作業で進めているなら、AIエージェント連携で負担を減らせる余地があります。

対象地域・業種

福島県・山形県・宮城県を中心に、ChatWorkを使う南東北の中小企業、制作会社、事務所に通じる視点です。

現場で見る共通点

メッセージの送受信だけでなく、確認、判断、記録、リマインドまでを承認ベースで支援させる設計がポイントです。

POINT

この記事の要点

1

未読メッセージを整理し、返信要否と返信案を出せる

2

リマインド、一斉配信、作業記録を承認ベースで自動化できる

3

APIトークン管理とスキル化で、安全に運用を安定させる

「ChatWorkに毎日ログインして、未読メッセージを確認して、返信して、リマインドを送って……」。この作業に1日30分以上かけている方は少なくないのではないでしょうか。

福島県・山形県の中小企業では、社内連絡にChatWorkを使っている会社が多くあります。しかし、ChatWorkの機能を「メッセージの送受信」だけに使っているとすれば、それはもったいない使い方です。

実は今、AIエージェント(Claude CodeやCodex)とChatWorkを直接接続して、日常業務を自動化できる時代が来ています。

私はITコーディネータとして、南東北の小規模な制作会社でこの連携を導入しました。本記事では、その実践例を3つの活用パターンに分けてお伝えします。

ChatWork × AI連携で何が変わるのか

MCP(Model Context Protocol)という接続の仕組み

AIエージェントとChatWorkをつなぐ技術がMCP(Model Context Protocol)です。難しく聞こえますが、やっていることはシンプルです。

ChatWorkには「APIトークン」という鍵があります。この鍵をAIエージェントに渡すと、エージェントがChatWorkのメッセージを読んだり、書き込んだりできるようになります。

設定にかかる時間は、慣れていれば5分程度です。支援先のプロジェクト管理担当者は、経営者の画面を見ながら自分のPCでも同時に設定を完了させました。別の担当者も、ChatWorkの「外部連携」→「APIトークン」をコピーし、AIエージェントの設定画面に貼り付けるだけで接続できています。

接続が完了した瞬間、担当者が「ChatWorkのルームを確認してください」と入力すると、自分が参加している全てのチャットルーム一覧が表示されました。

「なんか懐かしいなあ、人間の人がいっぱいいて」

久しぶりに業務へ戻った社員のこの言葉は印象的でした。不在期間に増えたルーム、退職したスタッフのチャット、使われていないグループ——AIエージェントが一覧化してくれたことで、まずはChatWork環境の棚卸しから始めることができました。

活用例1: 未読メッセージの自動トリアージ

課題: 朝の30分が未読確認で消える

制作会社では、お客様との連絡、社内の進捗報告、外部パートナーとのやり取りなど、多くのチャットルームが稼働しています。朝出社して最初にやることは、全ルームの未読メッセージを確認し、返信が必要なものとそうでないものを仕分けする作業です。

これをAIエージェントに任せると、以下の流れで処理されます。

  1. 全ルームの未読メッセージを一括取得する
  2. 自分宛てのメッセージを抽出する
  3. 返信の必要/不要を判断する
  4. 返信が必要なものについて、返信案を提案する
  5. 承認されたら、ChatWorkに返信を投稿する

この一連の流れを「スキル」としてまとめておけば、毎朝「未読を処理して」の一言で実行されます。

ルームの分類が効果を高める

支援先では、ChatWorkのルームをAIエージェントに3つに分類させました。

分類 内容 対応方針
お客様案件 制作案件ごとのルーム 優先度高。即日返信
社内 全体チャット、成果管理 通常対応
外注パートナー デザイナー、ディレクター 案件に応じて対応

この分類をmdファイル(マークダウン形式のテキストファイル)に保存しておくと、AIエージェントは「お客様案件のルームを優先的に確認する」「社内チャットは報告のみなので返信不要と判断する」といった判断ができるようになります。

活用例2: お客様へのリマインド自動化

課題: デザイン確認の催促を忘れる

Web制作の現場で最もよくある課題の一つが、「お客様にデザイン確認を依頼したが、返事が来ない。催促するのを忘れていて、納期が遅れる」というパターンです。

担当者も、ある取引先の日程調整を忘れていたことがあり、経営者から指摘を受けていました。

「それが今回一回じゃなくてちらほらあるでしょ」

この問題の本質は、リマインドすべきことを「覚えておく」負担と、リマインドの「文面を考える」負担の二重の負荷にあります。

AIエージェントによる解決

ChatWorkとAIエージェントが接続されていると、以下のような運用が可能になります。

  1. お客様にデザイン確認を依頼した時点で、エージェントに「3日後にリマインドしてください」と伝える
  2. 3日後、エージェントが「お客様にリマインドしますか?」と聞いてくる
  3. 「お願いします」と答えると、エージェントが適切な文面を作成する
  4. 内容を確認して承認すると、ChatWorkにリマインドメッセージが投稿される

「リマインドしなきゃならないことと、リマインドのメールを考えなきゃならないという二重の負荷がなくなる」

経営者のこの説明に、担当者は「先にリマインドが入ってくれるのはいいですね」と即座に評価しました。日々の業務を抱える担当者にとって、「覚えておく」負荷が減ることの価値は大きいのです。

経営者が示した運用方針

ただし、経営者は完全自動化は推奨しませんでした。

「自動でお客様にリマインドを送るよりも、まず担当者にリマインドして、判断してもらった方がいい」

これは重要な設計判断です。お客様との関係性を考えると、機械的にリマインドを送るよりも、人間が一度判断を挟む方がトラブルが少なくなります。AIエージェントは「忘れない秘書」として人間にリマインドし、最終判断は人間が行うという役割分担です。

活用例3: メンテナンス情報の一斉配信

担当者が自発的に出したアイデア

ChatWork連携の説明を聞いていた担当者が、自発的にこんなアイデアを出しました。

「お客様のチャットと、入っているサーバーの情報を紐づけて、サーバーからメンテナンス連絡が来た時にそれも一斉に送れるなと思った」

これは非常に実用的なアイデアです。Web制作会社やデザイン事務所は、複数のお客様のサイトを異なるサーバーで管理しています。サーバー会社からメンテナンスの通知が届いたとき、影響を受けるお客様を特定し、それぞれに個別連絡する作業は地味に手間がかかります。

実現方法

AIエージェントに以下の情報を記憶させておきます。

お客様名 サーバー種別 ChatWorkルーム
A社 XServerビジネス A社プロジェクト
B社 XServerビジネス B社プロジェクト
C社 さくらレンタルサーバー C社プロジェクト

この対応表をCSVまたはmdで保存しておけば、「XServerビジネスのメンテナンス情報を、該当するお客様全員に配信して」と指示するだけで、A社とB社のチャットルームにメンテナンス案内が投稿されます。

同じ仕組みで、年末年始の休業案内やサービス変更のお知らせなど、一斉配信が必要な場面にも応用できます。

活用例4: 成果管理チャットへの作業記録の自動投稿

課題: 作業記録を書く時間がない

支援先では、各スタッフが自分の成果管理チャットに作業記録を投稿する運用をしています。しかし、制作作業に集中していると、作業記録を書くのを後回しにしがちです。

AIエージェントによる解決

AIエージェントに「今日やった作業をChatWorkに記録しておいて」と口頭で伝えるだけで、作業内容を整理した投稿が成果管理チャットに自動で反映されます。

デモの場では、担当者が「AIエージェントの学習会をしたことをChatWorkに残しておいて」と指示すると、数秒で成果管理チャットに投稿が完了しました。担当者が投稿を確認した瞬間、この機能の実用性が証明されました。

さらに、急な欠勤の連絡にも応用できます。子供が熱を出して出社できなくなったとき、AIエージェントに「今日休みます、全体チャットに投稿しておいて」と伝えれば、適切な文面が作成・投稿されます。文面を考える精神的な負荷がなくなるのは、特に育児中のスタッフにとって大きなメリットです。

導入時の注意点

注意点1: 最初の「教え込み」には手間がかかる

ChatWorkのルーム構成を教える、お客様とサーバーの対応関係を教える、返信のトーンを教える——最初のセットアップには一定の時間が必要です。

経営者はこう説明しています。「始め、こういう教え込む作業がやっぱり必要になる。でも一回教えたら覚えてくれるから、投資だと思ってやる」

注意点2: 投稿前の確認を省略しない

AIエージェントが作成したメッセージを確認なしに投稿する運用は推奨しません。特にお客様向けのメッセージは、ニュアンスの間違いが信頼関係に影響します。

「承認」のステップを必ず挟み、内容を確認してからChatWorkに投稿する運用を徹底してください。

注意点3: APIトークンの管理

ChatWorkのAPIトークンは、チャットルームのメッセージを読み書きする鍵です。退職者のPCにトークンが残っていないか、定期的に確認する必要があります。トークンの再発行も簡単にできますので、不安がある場合はトークンを再生成して既存のものを無効化してください。

注意点4: スキル化で運用を安定させる

ChatWork連携の最大のリスクは「属人化」です。設定した人だけが使い方を知っていて、その人がいなくなると誰もメンテナンスできない——という状況を防ぐために、AIエージェントの設定内容を「スキル」としてmdファイルに書き出しておくことを推奨します。

スキルファイルには、以下を記載しておきます。

  • どのチャットルームが何の用途か(ルーム分類表)
  • 未読メッセージの処理手順(トリアージのルール)
  • リマインドの文面テンプレート
  • 一斉配信時のお客様×サーバー対応表

このファイルをObsidian等のメモアプリで管理し、クラウド同期しておけば、PCが壊れてもAIエージェントの「記憶」は失われません。支援先の経営者は、セッション終了時にAIエージェントの設定ファイルをバックアップする習慣を社員にも推奨しています。


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まとめ

ChatWorkとAIエージェントの連携で実現できる自動化は、以下の4パターンです。

  1. 未読メッセージの自動トリアージ — 毎朝の確認作業を「未読を処理して」の一言に圧縮
  2. お客様へのリマインド自動化 — 「覚えておく」と「文面を考える」の二重負荷を解消
  3. メンテナンス情報の一斉配信 — サーバーとお客様の対応表を元に、該当ルームへ自動投稿
  4. 作業記録の自動投稿 — 口頭で伝えるだけで成果管理チャットに記録

いずれも、特別なプログラミングスキルは不要です。必要なのはChatWorkのAPIトークンと、AIエージェント(Claude CodeやCodex)の基本操作だけです。

最初は1つの活用パターンから始めてみてください。「未読確認」か「リマインド」が、効果を実感しやすい入口です。

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