DX認定を考え始めた中小企業は、申請書づくりの前に、自社の経営方針、業務課題、ITの現状を言葉にすることが近道です。
DX認定制度は、企業がデジタル技術による変化に対応し、DX推進の準備を整えていることを国が認定する制度です。制度の詳細、申請方法、最新情報は、IPA・経済産業省の公式情報を確認しながら進める必要があります。
IPAの公式案内では、DX認定制度はデジタルガバナンス・コードに対応し、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する制度と説明されています。また、2025年8月27日以降、申請方法はウェブフォームによる申請へ切り替わっています。
公式情報: IPA DX認定制度 / DX認定制度の申請方法
DX認定は、申請書の前に「会社の変え方」を整理する
現場では、「DX認定を取りたいが、何から始めればよいかわからない」「申請以前に、社内の方針がまとまっていない」という相談が少なくありません。
当組合メンバーは、年商20億円規模の印刷業におけるDX支援にも関わってきました。その経験から言えるのは、DXはシステム名を並べる作業ではなく、会社の業務と判断の流れを整理する作業だということです。
印刷業では、受注、見積、原稿確認、制作、校正、外注、納品、請求まで、多くの部門と情報が関わります。どこに紙が残り、どこにExcelが残り、誰の確認で業務が進んでいるのかを見える化しなければ、DXの計画は実行できません。
DX認定でも同じです。申請書の文章を整える前に、まず次の5項目を整理します。
1. 経営方針とDXの目的
DX認定は、ITツールを入れた実績だけで考えるものではありません。売上拡大、業務効率化、人材不足への対応、顧客対応の改善、事業承継、採用力向上など、経営として何を変えたいのかを明確にします。
ここが曖昧なままだと、「クラウドを使っています」「システムを入れています」という説明に寄ってしまいます。しかし、DXで問われるのは、デジタル技術を使って会社をどう変えるのかです。
2. 現在の業務とシステムの棚卸し
紙、Excel、既存システム、クラウドサービス、手作業の流れを整理します。重複入力、属人化、集計遅れ、確認漏れなど、改善余地を見える化します。
印刷業のように工程が多い業種では、1つのシステムだけを見ても全体像は見えません。営業、制作、製造、外注、経理の間で情報がどう動いているかを確認する必要があります。
この棚卸しは、DX認定のためだけでなく、補助金活用、IT導入、生成AI活用の前提にもなります。
3. データ活用の方針
売上、顧客、在庫、案件、問い合わせ、勤怠、原価、納期など、どのデータを経営判断や現場改善に使うのかを整理します。
データを集めるだけでは不十分です。誰が見て、どの会議で確認し、何を判断するのかまで決める必要があります。
たとえば、見積の失注理由、納期遅れの発生工程、問い合わせの種類、作業時間の偏りなどは、現場改善と経営判断の両方に使える情報です。
4. セキュリティと運用体制
クラウド利用、アカウント管理、バックアップ、権限管理、情報持ち出しルールなどを確認します。DXを進めるほど、情報管理の重要性は高まります。
生成AIを使う場合は、AIに入力してよい情報、入力してはいけない情報、社外に出す前の確認責任も必要になります。
中小企業では、専任のIT部門がないことも多いため、現場で守れる運用ルールに落とし込むことが重要です。
5. 実行計画と改善サイクル
やることを並べるだけではなく、優先順位、担当者、期限、効果指標を決めます。小さく始め、成果を見ながら改善する体制を作ることが重要です。
DX認定を目指す場合でも、申請そのものをゴールにしないことが大切です。認定取得後も、業務改善、データ活用、セキュリティ、社員教育を継続する必要があります。
申請前の確認
DX認定は、申請書を整える前に、経営方針・業務課題・IT基盤・推進体制を言葉にしておくと進めやすくなります。
特に中小企業では、経営者の頭の中にある方針と、現場で実際に起きている業務の詰まりをつなぐ作業が重要です。ここを整理できると、申請だけでなく、その後のIT導入や補助金活用にもつながります。
ITC南とうほくが支援できること
ITC南とうほく事業協同組合では、DX認定やDX推進計画を見据えた現状整理、課題整理、IT導入計画、補助金活用、生成AI導入まで一体で支援します。
申請だけを切り出すのではなく、会社の変化につながる計画づくりを重視します。
関連サービス: DX推進計画策定 / IT導入・システム開発支援 / 補助金活用支援 / サービス一覧
DX認定・DX推進計画を整理したい方へ
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